現代の忙しい生活の中で、ストレスや不規則な生活習慣によって「なんとなく体がだるい」「眠れない」「胃腸の調子が悪い」といった不調を感じる人が増えているようです。
これらの症状の背景には、自律神経の乱れが関係していることも少なくないとのこと。
では、自律神経とは一体どのような働きをしているのでしょうか？
ここでは、ピラティスのような運動が、どのようにそのバランスを整える助けとなるのか探ってみましたのでご紹介します。
Contents
自律神経とは？
自律神経は、交感神経と副交感神経の2つから構成されており、私たちの意志とは無関係に「心拍数」「呼吸」「消化」「体温調節」など、生命維持に必要な機能をコントロールしています。
交感神経：活動時や緊張状態に優位になる（例：心拍が上がる、筋肉が緊張する）
副交感神経：リラックス時や休息時に優位になる（例：消化が促進され、体が休まる）
このバランスが崩れると、疲労感、不眠、消化不良、イライラといった不定愁訴が現れることがあります。
出典：済生会「心と身体がしんどい原因は、自律神経⁈」
https://www.saiseikai.or.jp/medical/column/autonomic_nerves/
ピラティスと自律神経の関係
ピラティスは、体幹（コア）を鍛えるだけでなく、呼吸や姿勢を重視したエクササイズです。この特性が、自律神経のバランスを整える点で非常に注目されています。
呼吸法による自律神経への影響
ピラティスでは、胸式呼吸を基本とし、動作と呼吸を連動させることで神経のバランスに働きかけます。
とくに深く意識的な呼吸は、副交感神経を刺激し、リラックス効果を高めるとされています。
姿勢改善と自律神経
自律神経は背骨の周囲を走行しているため、姿勢の歪みや筋肉の緊張が神経の働きに悪影響を与えることがあります。ピラティスでは、骨格のアライメント（整列）を正し、筋肉のバランスを整えることで、自律神経の働きをサポートする効果が期待されます。
科学的研究による裏付け
近年では、ピラティスと自律神経に関する研究も進み、以下のような報告がされています：
ストレスホルモン（コルチゾール）の抑制
ピラティスの呼吸法と集中力が、ストレスを軽減し、コルチゾールの過剰な分泌を抑える効果があるとされています。神経伝達物質の活性化
実践によってセロトニンやエンドルフィンといった神経伝達物質が分泌され、幸福感やリラックス感の向上が見込まれます。
ピラティスを取り入れる際のポイント
自律神経の調整を目的としたピラティスの実践では、以下の点に注意しましょう：
継続性：週2〜3回の定期的な実践が効果を高めます。
正しいフォーム：呼吸法や姿勢を正しく行うことで、より大きな効果が期待できます。初心者は専門インストラクターの指導を受けると安心です。
無理をしない：目的はあくまで自律神経のバランス調整。無理な運動は逆効果となることもあるため、自分のペースで行いましょう。
まとめ
ピラティスは、単なるフィットネスではなく、心身のバランスを整える手段としても高く評価されています。とくに、自律神経に働きかける呼吸法や姿勢改善は、ストレス社会を生きる私たちにとって、非常に有効なセルフケア手段と言えるでしょう。
日常生活の中にピラティスを取り入れ、心と体の調和を目指してみてはいかがでしょうか。
